部下が退職したという経験はありますか?
中間管理職の皆さんは、普段から「やめないための仕組み」や「やりがいを感じられるような取り組み」はされているかと思います。しかし、『やめたいんですけど。。』に関する対応方法や、どのように答えるかといった準備は、あまりなされていないのではないでしょうか?
この業界に限ったことではありませんが、中間管理職になるとアルバイトだけではなく正社員の退職にも関わることがあり、避けては通れない業務となります。にも関わらず、発生したときにその対応スキルを身につけていくしかない状況は、皆さん同じかと思います。
この記事では「退職」にまつわる情報整理と、その取り扱い方法についてまとめてみました。部下の人生に関わる案件です。正しい知識を持って、その人にとっても、会社にとっても、自分にとっても最良だったと言える対応をしましょう。
採用について
「退職」にまつわるレクチャーの前に、まずは「採用」にまつわるデータを知っておく必要があります。
辞めようとする人への対応は、感情的な判断で対応してしまうことが多いのですが、採用・退職といった人材管理の業務にも、多大なコストがかかります。判断の際には、そのデータも頭に入れておくと、判断する基準になります。
採用に関するコストは以下のとおりです。
※求人掲載だけでなく説明会や面接、研修など採用活動全体に掛かるコストのことです。
雇用形態別の1人当たりの平均採用コスト
中途採用→62.5万円
新卒採用→53.4万円
アルバイト採用→5.1万
出典元:株式会社リクルート様「就職白書」(2019)、株式会社ツナグ・ソリューションズ様(2014)
また、採用後の育成に関してもコストがかかります。
戦力化の定義は、業種によって大きく変わりますので割愛しますが、自身の仕事の育成コストも頭に入れておくと良いと思います。当然、店舗の運営は金の勘定だけではないですが、利益を生み出すことも会社員の使命です。
割りきって対応しなければならない場面も出てくるでしょう。
要は「退職=採用コストの無駄」です。そのコストも考えて、退職への対応をしましょう。
ケース1 この仕事向いてないんです
「この仕事の向いてないんです」と言い出す人がいます。
ただ単純に「そっかー。どした?」と返すこともできますが、私はそうしません。
そもそも私は、このあやふやな言葉が嫌いです。
「向いている」とは何か?
について理解をしていないと、その人がこれから長い人生を生きていく力や自身が持つ理想に近づけないのではないかと考えるからです。
簡単に「向いている向いてない」で判断する人は、人生をより豊かにするという意味で損しています。
「なんで向いてないと思ったの??」と投げかけてみましょう。
ほとんどの場合、〇〇がうまくいかない。〇〇が好きじゃない。というような答えが帰ってきます。
そもそも、この「向いていない」という言葉は、自分に向けた言葉のつもりかもしれませんが、周りにいる人への配慮がないと感じます。
共感する人もいるかもしれませんが、逆にその仕事に真摯に向き合っている人や同じように向いていないと感じながらも頑張っている人には、「本気で取り組んだの?」とか「向いてないじゃなくて、能力が低いだけなんじゃない?」という風に感じるのではないでしょうか。受け手によっては本当に不快に思うかもしれません。
言った側からすれば、「あんたには関係ない」と主張するかもしれませんが、この時点で周りからの評価は下がり、損をしはじめます。
直接的な影響はないにしろ、こういう人は、自分で気づかないうちに周りからのサポートを失っていくのです。
「逆に、どうなってたらうまくいったと思えてた?(向いていると思えた?)」と投げかけてみましょう。
この質問に対しては、「〇〇になっていたらうまくいった」というような答えが返ってきます。
この回答から、自分の「結果」に対して「向いている」「向いていない」の判断をしていることがわかります。
最後は、「瀬戸大也は優勝した日は向いてる日で、優勝しなかった日は向いてない日なのかな?向いてるかどうかって結果で左右される?」と投げかけて、自身で気づけるように誘導しましょう。
この投げかけで、自身が口にしたことが如何にもったいないか?無意味な言葉か?に気づけるはずです。
ここで気づけない人は、言葉を理解することに向いてないのかもしれません(笑)
もしも結果に左右されるものなら、目標を下げてしまえば「向いてる」になっちゃいますよね?
安易に「向いてない」を使うのはよくないです。
向いていないという言葉の使い方としては、「うまくいかない=理想と違う=理想を実現させるための能力が低い=向いていない」となるため、あながち間違いではないと思います。
しかし、この部分をぼんやりとしたまま別のことを始めても、またうまくいかない。向いていない。と言い始めるのではないでしょうか。
うまくいかなかった理由は何なのか?
をきちんと考え、課題を見つけ、その点を改善することや強化することが、その人にとっての成長(理想を実現するための)となるのではないかと考えています。
「向いていない」という言葉は、その人が成長する機会を失ってしまいます。
それでも「向いているか向いていないか」を使いたい、知りたい人は、できるだけ多くの仕事をやってみましょう。
一般的な人が経験する可能性がある仕事の数を上回ったうえで、「向いてません」を使うと良いでしょう。「向いてません」のための説得力を得ているはずです。
確かに向き不向きというのは存在しますが、スペックが低い人ほど向いる向いてないと言い出すことが多いです。スペックが高い人はそもそも向いてる向いていないで話をしません。
厳しい言い方かもしれませんが、結果によって向いてる向いていないで判断する人に、「向いてること」が見つかることはないです。
また100歩譲って、結果によって向いている向いていないかを判断するとしても、向いてないと思ってる仕事が一番結果出してるかもしれませんよ?
ぜひ、「向いてない」という言葉が聞こえてきたら「あなた人生損してますよ」と、このサイトを見せて上げてください(笑)
課題を見つけ、改善や解消する事で理想の自分になれるように導いて上げてください。
ケース2 いつならやめられます?
「みんなに迷惑かけたくないんで再来月末まで頑張ります。」
退職希望の人はだいたいこういう感じでこれを言ってきます。
さも申し訳なさそうに。。。。
私はこれを言ってくる人には必ずいつも以下の内容を伝えます。
- 迷惑をかけたくないんだったらやめないことが最善手だけど?
- だから迷惑かかるとか言うのへんだよね?
- 労基法では、労働者の意思による退職は、原則として「自由」になってるし、退職の申入れの日から二週間を経過することによって雇用契約が終了するってことらしいよ。最短で〇〇日だけどどうする?
- 無理に働かせたくないから、あなたの希望通りにしてあげる。めいわくかけたくないという気持ちで働かせるのは本当に心苦しいんだよ。
これでほとんどの人が、「え?」という感じを出してきます。
「やめないでほしい」「どうしたの?」がほしかったのではないかと推測できます。
一般的にみれば、厳しめの対応をしているように見えるかもしれませんが、もちろん狙いはあります。
寄り添って対応したときよりも、今回のように突き放したときのほうが、圧倒的に退職を踏みとどまる可能性が高くなるからです。
そんな人の気持ちは分からないのでなんとも言えませんけど、「しんどい→やめる」という思考回路しか持っていなかったのに、急に考えたこともないような言葉をもらったからこのような変化が起きるのだと思います。
ケース3 自分の時間がほしいのでやめます
入社6ヶ月の〇〇君。
7月末退職希望。
すぐに退職と言ってきましたが、さすがにそこは頑張ってくれと伝えました。
家庭の事情(詳細は言えんらしい)と勉強が追いつかないということでした。
学生あるあるですし、働きはじめたら誰しもがぶつかる壁かなとは思います。
しかし、忙しい時に『時間があれば、解決する』という思考に陥る人に成長はありません。
1日24時間は、一生変わりません。
自己実現の欲求は達成されるとさらに高いステージの欲求段階に移るので、無限に続くエンドレスループです。
その反面、時間というのは物理的に有限。
時間に依存する思考に支配される人に成長はないし、自己実現の達成は難しいでしょう。
しかし、退職というのはデリケートで、その後の店舗運営に関わる重要な案件です。個人の問題だけではなく、チームの士気に関わる問題と言えます。
退職の理由や背景の事実は1つしかありませんが、一緒に働くスタッフひとりひとりで受け取り方も変わります。
本来は、退職が決まる→申請を出す→退職する」で、終わりなのですが、「まだ働く人たちへの印象はどう?」を考慮する必要があります。
- 人が減ったら今後シフトにたくさんの入れられるかも
- 休みたいときに休めないじゃん
- アルバイトのことなんてただのコマだと思ってるのかな
- 新しい人の採用してるのかな?
- なんでもっと必死にとめてくれないのかな?
正直、人によりますけど、やめることを惜しむこと、残ってほしいというリアクションをとることはとても大事です。
退職による人材不足が慢性的に発生する
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慢性的に退職による人材不足に陥るのであれば、自身の採用の考え方にも原因があるのかもしれません。
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