自社商品おすすめしがち
スポーツクラブのクチコミサイトを見ると、「サプリメントめちゃくちゃ勧めてきてうざい」「トレーニング教えずに売ってばっかり」などなど、辛辣なお声が出ていることが多々あります。
『自社商品おすすめしがち』は、スポーツクラブあるあるです。
大手スポーツクラブともなると、自社開発商品(脂肪燃焼、青汁、疲労回復など)と言われる、開発部門の方達の努力の結果生み出された商品があります。
物販の利益とダイエット等の成果を後押しすることで継続期間を伸ばすという狙いがあります。
この商品。何が良いかって…
効果、効能!他の商品より効きが段違い!価格も安くてお求め安い!…と言いたいところですが、『原価が安い』というのが一番の理由です。
粗利が取れるんです。
スポーツクラブにおけるPB(プライベートブランド)商品とは
マネージャーの私でさえ、この自社商品をなぜこんなに販売させるのかよくわかりません。
店舗ではこの商品の強化販売を巡って様々なドラマが生まれます(笑)
頑張る店舗、頑張らない店舗、頑張りすぎてスタッフがやめちゃう店舗、頑張った結果報奨金をもらう店舗、PB商品は本当に奥が深い。
本来の?プライベートブランドとは?
PB商品で最も身近な存在は、おそらくイオンの「トップバリュ」というブランドだと思います。
プライベートブランドとは、小売業者や流通業者が自社で製造または仕入れた商品に自社のブランドを冠することを指します。これは、通常、一般的なメーカーやブランドではなく、販売業者自体が商品に独自のブランド名やラベルを付けて市場に提供する商品です。プライベートブランドには、いくつかの異なる形態がありますが、主なものには以下のようなものがあります。
ブランドロゴや名前のみのブランド(Generic Private Brand)
小売業者が商品に独自のブランド名やロゴを付けるだけで、製造からは他のメーカーが担当することがあります。商品自体は他のメーカーの製品と同じであることがありますが、販売業者の独自のブランドイメージがあります。
独自開発ブランド(Store Brand or Own Brand)
小売業者が自社で商品の製造や開発を行い、それに自社のブランドを冠する形態です。商品は他のメーカーから供給されることもあれば、小売業者自体が工場を所有し製造することもあります。
マーキングブランド(Manufacturer’s Brand)
小売業者が商品を他のメーカーに製造させ、その商品に自社のブランドを付けて販売する形態です。この場合、商品自体は他のメーカーが提供していますが、小売業者のブランドイメージが強調されています。
プライベートブランドとは
プライベートブランドは、小売業者にとって独自性を確立し、競争力を高める手段となる一方で、品質や価格帯のコントロールを可能にします。また、消費者にとっては、プライベートブランド製品が通常のブランドと比較して価格が抑えられることがあり、コストパフォーマンスが良いと感じることがあります。
ここで、スポーツクラブで働くみなさんならわかるかもしれませんが、プライベートブランド販売の土台となるはずの「ナショナルブランド」と呼ばれるものがスポーツクラブにはないんです。
よって、「自分たちで作って自分たちの会員に売るから販売価格が安くて利益率が高い商品になる」というメリットがあるものの、肝心の比較対象の存在がないため、消費者はあまりメリットを感じることができないのです。
プライベートブランドの利益構造を実現できてないのに頑張って販売するのはなんで??
理由は簡単。
強化販売は相当なマンパワーを使うのですが、そのマンパワーを本業に注いだときよりも、PB商品に注いだときのほうが売上や利益の幅が大きくなるからです。
残念ながらスポーツクラブクラブ業界はすでに成熟しており、革新的な考え方や方法を生み出さない限りは、大きな利益構造の変化は起きません。
よって、本来のPB商品がもつメリットの享受がないものの、同じ労力ならより大きなリターンが得られる強化販売に取り組むのです。
こういうロジカルな部分の説明を現場にしない本部、そしてその部分を考えることができない現場。
現場は本業がおろそかになると言い、本部は本業で稼げないからこれで稼げと言う。
お互い悪いですね。
前述したようなドラマが生まれるのはこのためです。
じゃあ社畜おじさんはどうしているのか?
ポイントはいくつかありますが、単純に業績の部分だけで考えると、以下のようになります。
確かにPB商品の強化販売は店舗の増収増益増益に寄与します。
しかし、年間での業績への寄与は約1%(笑)強化が嫌なら他のことで稼げはいいだけです。売上もあげられないなら、人を削ればいいだけです。
3週間、アルバイトの時間に社員の事務時間をあてればそれで済みます。
ただし、ここで把握しておかなければならないのは、目に見える表面的な数値だけではなく、強化販売が店舗にもたらす、目に見えないメリットとデメリットです。
デメリット(従業員編)
「ドラマ」と前述しましたがとにかくそこら中でバチバチし始めます。
- どのセクションがどれだけ売るか
- AさんはBのお客さんなのにCが売った
- Dの目標はEの方が勤務時間が長いのに高い
などです。
そして誰かが言い始めます。
「たくさん売ってくれた人にはインセンティブを与えたらいいのでは?」と。
時給払ってんのに?(笑)
それやっちゃうくらいなら、プロの実演販売員を雇えばいいじゃないかといつも思います。
デメリット(お客さん編)
〇〇から買ってやったというアドバンテージを得た気にさせてしまうことがあります。
また、「マナーが悪いやつを注意もせずに売ることばっかり考えている」と言い出す人がいます。
「ボランティアじゃないからもの売るのは当たり前だろ?」と思いつつも、
「確かにお客さんが求めているものでもないな」と思いながらクレームを聞くという時間の無駄。
メリット(従業員編)
マネジメントを学ぶ機会を得ることができます。
売れない物を売るという課題として捉えることができ、改めてマーケティングを1から学ぶことができます。
誰に何をいつどう売るか?
さらに、個人ではなくチームを動かすということも必要になり、店舗運営のスキルを磨く機会になります。
メリット(お客さん編)
PB商品は効果がないわけではありません。
使用方法やタイミングなど、一定条件のもとでは明らかに効果がある商品です。
活用することで、自身の目標に近づく方法のひとつになります。
メリット(店舗編)
一番大事な点です。
1%と言えども、全社を上げた売上(利益確保)策です。
店舗の取組みへの評価は、人の評価に直結します。
人の評価というのは、ボーナスや昇格というような直接的なリターンの話ではありません。
不思議な話ですが、「全社的な策に対して全力で取り組める=その他の店舗運営も全力で取り組めている」という方程式が、なぜか成り立ってしまうのです。
この方程式が店舗にもたらすメリットは、「良い店舗フィルター」です。
このフィルターは何をしても1.2倍ほどよく見えるという優れものです(笑)本当です。
店舗からの提案や投資案件の承認を通しやすくする効果があり、同じ内容や同じ効果だったとしてもフィルターがあるかないかで可否が分かれることがあります。
PB商品強化販売への取組方まとめ
- 正直儲かればなんでもいい
- メリットとデメリットをしっかり把握し、ストーリーを作る
- 結果よりも過程にクローズアップする
- 取組の先にある1.2倍フィルターを獲りにいく
正直なところ、PB商品と言いながらその対となるNB商品の存在がない。
そもそもの仕組みが破綻しているので、本来はその点の改善がスポーツクラブにとっては大事です。真面目な現場は頑張ってしまいます。
なので本来浮き彫りにしなければならない本当の課題にたどり着けず、延々安いPB商品を作り続けます。
トレーナーやコーチの力を使うのであれば(ナショナルブランドというの比較商品がないのであれば)、より効果的で高価な商品を売るのが、最もリターンが大きくなるのではないでしょうか。
マネージャーは、その強化策での目的を決め、店舗の舵取りをする必要があります。
「たかが1%されど1%」
数値以上の影響力があることを理解した上で取り組んでみてください。
余談 信じるか信じないかは。。。
どの会社も強化販売はありますが、会社によって力の入れ具合が相当違うようです。
その差は、その強化販売を担当している部署の部長によって変わるらしい。
つまり、そのプロジェクトのリーダーが会社にとってどのようなポジションにあるか?(どのくらいの力を持っているか?)によって左右されるとのこと。
信じるか信じないかは。。。あなた次第です(笑)
これはプライベートブランドか?
某100円ショップで2本100円で売ってました。
見た瞬間、頭の中に出てきた商品て、「ジ○ー○アの○メ○ル○マ○ン○ン」じゃないですか?この配色はあれしかない。
あの有名なブランドコーヒーです。
この缶コーヒーを回転させると。。。
サンガリアの直火珈琲(笑)サンガリアとジ○ー○アって似てるな。
ちなみに、本物?(どっちが本物という話ではないが、、ほとんどのみなさんがそう思っちゃうのが事実。)はこちらです。
ここでふと思った疑問は、著作権とかオマージュとか??どこからどこまでがどうなのか(笑)
このブログを書くときも固有名詞を使っていいのかだめなのか。よくわかりません。
この記事でも、サンガリアは出してて、ジ○ー○アは出さない。
プライベートブランドの仕組みはどうなってるんでしょうね??
少なくとも私自身は、一番最初の写真を「アレ」とおもって手に取りました。
今後、副業などを始めるときにはとても大事なことですね。調べておきます。
ちなみに味は、、、圧倒的に本物?の方がうまかったんですけど、半額以下の値段と考えると、サンガリア直火珈琲のほうがコストパフォーマンスが良いと思いました。